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公正証書遺言

公正証書遺言は、法律の専門家である公証人が、遺言内容を遺言者に確認しながら作成するため、信頼性が高く、広く利用されている方式になります。
遺言者は、公証人と証人2名の面前で、遺言内容を公証人に口授くじゅし(口頭で伝えること)、公証人がその内容を書面にまとめ完成させます。

 

満15歳以上で、自分の意思で遺言内容を理解し判断する能力(遺言能力)があれば作成することができ、公証人が作成過程に関与し完成させることから、力式の要件を欠いて無効なることもほとんどありません。後々遺言の効力が争われる可能性も低いといえます。

 

また、原本は、公証役場で保管しますので、紛失・改ざん・秘匿されるおそれもありません

 

公証証書と公証人

公正証書とは、公証人が作成する公文書をいいます。公証人は、実務経験を有する法律実務家の中から、法務大臣が任命する公務員です。そのの多くは、裁判官や検察官、法務局のOBなど法曹有資格者が占めています。

 

その道のプロである公務員が作成する公正証書には、高い「証明力」があり、信頼性や安全性に優れ、その内容の法的有効性も担保されています。

 

また、「執行力」も有しており、例えば、金銭の債務や離婚に伴う養育費・慰謝料支払など金銭の支払を内容とする公正証書の場合、「強制執行認諾文言」を定めておくことで、支払いが滞ったときは、新たに裁判を起こすことなく、給与や口座の差押などの「強制執行」の申立が行えます。

 

他にも、不動産賃貸借や贈与など民事に関する様々な場面で利用されています。
また、法律で公正証書として作成することが義務付けられているものもあり、近年、生前対策の一つとして注目されている「任意後見契約書」はそれに該当します。

 

そのような公正証書のなかでも、遺言公正証書は契約等の公正証書とは異なり、民法の規定に則り作成することとされています。

 

そうした公正証書による遺言は、証明力が高く、かつ安全であることから、近年は公正証書で遺言を作成する方が徐々に増える傾向にあります。

 

現在、公証役場は全国に300カ所、地方は少なく、大都市圏に集中する傾向です。ちなみに兵庫県内では10カ所あります。
公正証書遺言を作成するときは、原則、公証役場に出向く必要がありますが、遺言者の居住地に関係なく、どこの公証役場でも作成することができます。

 

ただし公証人が出張し作成する場合は、その公証人が所属する法務局・地方法務局の管轄内に限られています。

 

例えば、兵庫県内の公証役場の公証人が、大阪府内に居住する遺言者の元へ出張し作成することはできません。逆に、大阪府内に居住する遺言者が、兵庫県内の公証役場にに出向き作成することは問題ありません。

 

→公証役場一覧 日本公証人連合会HP

証人の役割

 

公正証書遺言を作成するときは、証人2名以上の立会いが必要です。なお、「2名以上」となっていますが、通常は2名で足ります。

 

証人の任務は、作成手続の最初から最後まで同席し、「遺言者の本人確認「」「遺言者の自己の意思に基づいて口授したこと」「公証人による筆記が正確であること」を確認して公正証書に署名し、押印することです。

 

遺言者の立場からは、遺言者本人が誰からも干渉されず自由な意思のもと、遺言者の希望する内容で作成された事実を保証する者といえます。

 

公証人が作成する公文書であるということだけでも信頼性は高いのですが、このように厳格な手続きにしたがって作成されることから、遺言公正証書の信頼性は高く認められるのです。

 

証人には、判断能力が十分でない者や遺言内容に利害関係を持ち、手続の場で影響を与える可能性のある者はなれません。

 

具体的には、@未成年 A推定相続人、受遺者及びその配偶者、直系血族 B公証人の配偶者、4親等内親族、書記などが欠格者(証人になれない者)として定められています。
また、真正に作成されてた事実を保証するものとして署名が必要ですので、病気などで字を書くことが不自由な方も証人には適切でありません。

 

証人は、遺言の内容を知ることになりますので、遺言者は、友人や知人などであっても依頼しづらいようです。外部に漏れてしまう心配がでてくることがあるかもしれません。その点、守秘義務を負う行政書士、司法書士など専門職の証人を利用することで、そのような心配は無くなるものと考えます。

 

なお、欠格者を証人として作成された遺言は、方式不備により無効とされます。

 

遺言を公正証書で作成する理由

平成29年は11万191件の公正証書遺言が作成されました。10年前と比べると約1.5倍に増加しています。

 

平成26年に10万件を超えてから伸びは鈍化していますが、依然高水準で推移しています。想いを伝えたい者と想いを伝えて欲しいと願う者、最も確実、安全に伝える遺言として認知されてきているのではないでしょうか。

 

 1. 遺言内容に納得してもらいたい、もめて欲しくない

 

遺言者の想い、遺言者の考える公平と譲り受ける側の期待値には往々にして「ギャップ」が生じます。相続開始後、遺言書をめぐり相続人の間でもめる理由はこの「ギャップ」存在です。

 

遺言書を作成することは、法定相続分と異なる相続分を定めたり、特定の相続人に多くの財産を相続させたり、相続人以外の者に遺贈したりとすべての相続人の期待に答えることは難しく、法定相続で期待した相続を受けられない相続人がでてくるということです。

 

公正証書遺言は、公証人が形式面を整え、遺言者の本人確認、遺言能力の有無、さらには、遺言者の自発的意思に基づくこと、遺言内容も真意であることを確認しますので、成立過程、遺言内容とも有効性が担保されます。方式の不備など形式面での異議は排除され、作成時の判断能力に疑念をもたれる可能性も少なく、たとえ分割内容に不満がある相続人であっても、遺言者の想いを理解し、異議は最小限に抑えられます。

 

公正証書遺言は、相続人すべてが納得を得られやすく、遺言の効力をめぐる紛争に発展するおそれが最も少ない方式であるといえます。ただし、遺留分には配慮しておく必要があります。

 

 2. 「検認」不要、すぐに相続手続きに入れる、できるだけ負担もかけたくない

 

遺言者が亡くなったとき、自筆証書の遺言書は、遺言書を保管していたり、見つけた相続人は、遺言者の最後の住所地にある家庭裁判所に検認を申し立てなければなりません。遺言書は相続人が勝手に開封できず、検認手続なかで相続人立会いの下開封されます。

 

検認の目的は、遺言書の形状、加除訂正の状態、日付、署名などの検認の日付現在における遺言書の現状を確認し、偽造や変造を防止し証拠を保全することです。検認は、申立てから完了まで1か月から2か月程度かかり、完了後発行される「検認証明書」をもって不動産の相続登記や預貯金の解約などしなければなりません。

 

このように遺言書があっても直ぐに遺言執行をすすめることができず、相続人にとって検認手続は、時間と労力を要し大きな負担をともなうものとなります。

 

 3. 字を書くのに不自由がある、入院しているため外出が難しい、言葉や聴覚に不自由がある

 

病気やケガなどで筆記ができなくとも作成できます。署名も難しい場合は、公証人がその理由を付記し遺言者の署名に代えます。

 

外出が難しい場合などは、公証人が自宅や入院先の病院、入所施設に出張し作成することもできます。

 

言葉、視力、聴力などに障害がある方も、公証人にご自分の意思に基づく遺言内容であることを伝えること(筆談や通訳など他者の手をかりて)ができれば作成することができます。

 

全文を自筆で書かなければならない自筆証書遺言と異なり、お身体に不自由がある方にとって作成しやすい方式です。

 

必要書類

 

1. 遺言者本人の印鑑証明書(発行後3か月以内のもの)

 

 印鑑登録していない場合は、マイナンバーカード、運転免許書など写真付きの身分証明書+住民票、作成当日に
 実印(認印)が必要。

 

2. 遺言者と相続人との関係がわかる戸籍謄本

 

 遺言者の現在戸籍から遡り相続人であることが分かるまでの全ての戸籍謄本、相続人の戸籍謄本が必要になる場合も
 あります。

 

3. 受遺者の住民票(発行後3か月以内のもの)

 

 遺言作成時、相続人以外の者に財産を遺贈する場合

 

4. 登記簿謄本及固定資産税納税通知書(遺言作成時直近)

 

 財産に不動産が含まれている場合。

 

5. 預貯金等金融資産の資料

 

 預貯金通帳見開き(銀行名、支店名、口座番号)と直近残高ページの写し、取引状況報告書の写しなど

 

6. 証人の確認資料

 

 マイナンバーカード、運転免許書など写真付きの身分証明書の写し、作成当日、認印が必要です。

 

7. 遺言執行者の特定資料

 

 その方の住所・氏名・生年月日・職業を書いたメモ

 

公証人の手数料

公証役場へ支払う作成手数料は、「公証人手数料令」に基づき法定されています。手数料の計算方法は、相続財産の額と相続させる人数によって細かく規定されています。

 

相続人1人ごとの相続財産に応じた手数料を計算し、各々の手数料をを合算します。

 

手数料は、段階的に設定されていますので、相続財産が多いほど手数料も高くなり、相続人の数が多いときも合算により全体がかさむことになります。

 

また遺言加算として、相続財産の総額が1億円以下の場合に限って1万1000円が加算されます。祭祀主催者の指定をするときは、1万1000円を加算します。この他、正本・謄本の交付1枚につき250円が加算されます。

 

手数料は、あらかじめ見積りで概算が提示されます。作成の当日、正本・謄本の交付の際、現金で支払います。作成過程で、相続人の相続財産を変更したり、文言の変更追加などで、当初の見積もりとは一致しないことがあります。

*受遺者も相続人のひとりとしてカウントされます

 

相続人1人に対する相続財産の評価額に対応する手数料は、次のとおりです。

 

100万円以下 5000円
200万円以下 7000円
500円万以下 11000円
1000万円以下 17000円
3000万円以下 23000円
5000万円以下 29000円
1億円以下 43000円
3億円以下 4万3000円に超過額5000万円までごとに1万3000円を加算
10億円以下 9万5000円に超過額5000万円までごとに1万1000円を加算
10億円を超える場合 24万9000円に超過額5000万円までごとに8000円を加算

 

試算例》 
    相続人3人 総額三千万円の財産を、配偶者に2千万円、2人の子供に各5百万円相続させるケース

 

配偶者 2万3000円 2千万の相続財産にかかる手数料
子供A 1万1000円 5百万の相続財産にかかる手数料
子供B 1万1000円 5百万の相続財産にかかる手数料
遺言加算 1万1000円 相続財産の合算が1億以下の手数料
祭祀主宰者の指定 1万1000円 任意

合計

6万7000円

別途正本・謄本の交付手数料

 

公証人が出張し出先で作成する場合

遺言者が病気などで公証役場に出向くことができない場合には、公証人が入院先や自宅に主張して作成することも可能です。

 

この場合の手数料は、遺言加算を除いた相続財産の評価額に対する手数料額の1.5倍が基本手数料となり、これに、遺言加算手数料を加えます。この他にも、旅費(実費)、日当(1日2万円、4時間まで1万円)が必要になります。公証人が所属する法務局・地方法務局の管轄外には出張できませんのでご注意ください。

 

公正証書遺言の作成当日

予約した日時に公証役場を訪問し、おおよそ次のような流れで作成されます。

 

1. 独立した部屋で遺言者・公証人・証人2名が入り手続が始まります。付添人などは原則同席不可、別の場所で待機。

 

2. 公証人が遺言者と2名の証人に、氏名・生年月日・住所・職業を質問し、本人であることを確認をする。

 

3. 公証人が遺言者に、遺言の内容について質問し、遺言能力の有無、自分の意思で遺言を残し、真意に基づくものかどうか
  確認します。

 

4. 公証人が遺言者と証人に、作成した遺言書を配布し、全文を読んで聞かせる。

 

5. 遺言者と証人が、内容が正確なことを承認したあと、公正証書遺言に各自署名し押印する。最後に公証人が署名押印します。

 

以上、民法の規定に従い公正証書遺言の作成が完了します。正本と謄本の交付を受け、手数料を現金で支払ます。原本は公証役場に保管されます。

 

当事務所など専門家に依頼された場合は、事前に何度も公証役場に出向く必要がなく、当日の手続きもいたって簡単です。所用時間は、40分から1時間程度です。

 

当日は実印と手数料だけ、忘れずに持参しましょう!もう一つ、証人をご自身で確保した場合は、認印と身分証明書を忘れないようにお願いしておきましょう。

 

遺言公正証書の交付と原本の保存について

遺言公正証書は、同じ内容のものが3通作成され、原本は公証役場に保管されます。交付されるのは、正本と謄本です。

 

いずれも原本の内容を写した書面ですが、正本は「正本であること」「交付を請求したものの氏名」「作成年月日と場所」が記載され、公証人の署名押印があります。原本と同一の効力を持つ唯一の書面です。再交付はできまません。なお、原本には正本を交付した旨が記載されます。

 

謄本は「謄本であること」「作成年月日と場所」が記載され、公証人の署名押印があります。紛失の場合などに再交付してもらうことができます。

 

保管方法には特別の決まりはありませんが、一般的には、正本を遺言執行者が、謄本を遺言者自身が保管します。いずれも遺言の執行に使用できますが、遺言執行には正本を必要する場合もあるからです。

(公証人施行規則27条)
公証役場に保管された原本の保存期間は20年である。

 

(公証人施行規則27条-3)
保存期間の満了した後でも特別の事由により保存の必要があるときは、その事由のある間保存しなければならない。

原本の保存は、公証役場によって多少の違いがありますが、遺言者が120歳になるまでは保存されるようです。存命中は問題のない期間といえます。かつ、東日本大震災の教訓から、現在では公証役場内に保管するだけでなく、原本をデジタル化してサーバーに保存する安全対策が実施されています。

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